季節の変わり目や花粉の時期になると、鼻のムズムズやつまりに悩まされる方も多いのではないでしょうか。そんなときに頼りになるのが「点鼻薬」。でも、いざ使おうと思っても、「ステロイドタイプ」と「血管収縮タイプ」って何が違うの?どう使えばいいの?と迷ってしまうことも。 実は、点鼻薬は種類によって使い方のポイントが異なります。ちょっとしたコツを知っておくことで、より快適に使えたり、効果を実感しやすくなることもあります。このコラムでは、点鼻薬の種類やそれぞれの特徴、そしてタイプ別の使い方のコツまで、わかりやすくご紹介します。
目次
点鼻薬は「てんびやく」と読み、鼻に点す(さす)、つまり薬液を噴霧(スプレー)する薬です。市販薬では、花粉による季節性アレルギー性鼻炎やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎、鼻風邪などの急性鼻炎などの症状を改善する目的で使用されます。
市販の点鼻薬の代表的なものに「ステロイドタイプ」と「血管収縮タイプ」があります。それぞれ働きが異なるため、対応できる鼻炎の症状が異なります。
ステロイドタイプ |
血管収縮タイプ |
|
---|---|---|
働き |
アレルギー症状を元から抑える |
鼻粘膜の腫れを直接抑える (腫れて広がった血管を収縮) |
対応症状 |
花粉アレルギー専用 |
アレルギー性鼻炎や急性鼻炎(鼻かぜ)にも対応 |
ステロイドタイプ |
血管収縮タイプ |
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働き |
アレルギー症状を 元から抑える |
鼻粘膜の腫れを 直接抑える (腫れて広がった血管を収縮) |
対応症状 |
花粉アレルギー 専用 |
アレルギー性鼻炎や急性鼻炎(鼻かぜ)にも対応 |
点鼻薬のタイプによってメリットとデメリットがあるため、状況に合わせた使い分けをすることが効果的です。
ステロイドタイプ |
血管収縮タイプ |
|
---|---|---|
メリット |
・効果が持続的 ・継続使用で効果が高まる |
・速効性がある |
デメリット |
・血管収縮タイプに比べ効果の発現がゆっくり |
・効果の持続時間が短い ・継続使用は不向き |
このような方に おすすめ |
症状を長く抑えて花粉シーズン中楽に過ごしたい方 |
短時間でもとにかく速く症状を抑えたい方 |
ステロイドタイプ |
血管収縮タイプ |
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メリット |
・効果が持続的 ・継続使用で 効果が高まる |
・速効性がある |
デメリット |
・血管収縮タイプに 比べ効果の発現がゆっくり |
・効果の持続時間が短い ・継続使用は不向き |
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このような方に おすすめ |
症状を長く抑えて 花粉シーズン中 楽に過ごしたい方 |
短時間でも とにかく速く症状を 抑えたい方 |
点鼻薬の種類に合わせて適切な使い方をすることで、効果が高まるだけでなく、より安全にお薬を使うことができます。点鼻薬の種類ごとの使い方のコツを知って、上手な鼻炎対策を行いましょう。
ステロイドタイプの点鼻薬は、アレルギー反応を元から抑えるため、今つらい症状を抑えるだけでなく、“症状の発生・悪化”も抑えることができます
毎日使うと効果が高まり、花粉を浴びた時でも症状が出にくくなるため、継続的に使用することがおすすめです。
血管収縮タイプの点鼻薬は、鼻粘膜の腫れを直接とる働きがあるので、速効性はありますが、効果は一時的です。症状がつらいと感じた時にその都度使うことが効果的です。
点鼻薬による「薬剤性鼻炎」
血管収縮タイプの点鼻薬は、使い続けると体がお薬に慣れてしまい、鼻づまりが生じやすくなる「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあります。連用は1~2週間までにとどめましょう。
花粉症のように長く症状を抑えたいときは、薬剤性鼻炎を生じない“ステロイドタイプ”の点鼻薬を使うことがおすすめです。
店頭で探す場合には、下記タイプ別の分類表を参考に、有効成分名を見てみるとよいでしょう。不明な点があれば、薬剤師または登録販売者に相談してください。
ステロイドタイプ |
血管収縮タイプ |
|
---|---|---|
有効成分 |
・モメタゾンフランカルボン酸エステル |
・ナファゾリン塩酸塩 |
ステロイドタイプ |
血管収縮タイプ |
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有効成分 |
・モメタゾンフランカルボン酸エステル |
・ナファゾリン塩酸塩 |
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