「花粉症はなぜ起こるの?」「花粉症になりやすい人はいるの?」「花粉症かどうか知りたい」など、花粉症かもしれないと思った方はさまざまな疑問が浮かぶでしょう。この記事では、花粉症の原因や症状について解説します。
目次
花粉症は、鼻の粘膜など体内に入った花粉に対して、異物を排除しようとする反応が過剰に起こることで引き起こされるアレルギー性疾患です。
おもに鼻水、鼻づまり、くしゃみといった鼻炎症状のほか、目のかゆみ、咳が生じることもあります。
かぜの場合も同じような症状が見られますが、ウイルス感染が原因となるかぜとは対処法が異なります。
花粉症の中でも多くの人が発症しているのがスギを原因とする春の花粉症です。スギ花粉は年や地域によって多少のずれはありますが、1月から飛び始め、2月~4月にかけて飛散のピークを迎え、5月頃まで飛ぶといわれています。
春の花粉症の原因となる植物にはヒノキもあります。ヒノキ花粉は、3月から4月を中心に飛散するといわれており、スギ花粉のピークに続いて飛散ピークを迎えます。
花粉に注意したいのは春だけではありません。
5月~6月にはイネ科のカモガヤの飛散量が多くなります。
また、“秋花粉”として有名なブタクサ属の花粉は、8月から飛び始め、9月に飛散のピークとなります。その他にも、秋にはヨモギ属やカナムグラの花粉が飛散します。
アレルギーを起こす花粉は一年を通じて飛散しており、またアレルギー体質の人は複数の原因物質(抗原)に過敏反応を示す傾向があるため、一年中なんらかの花粉症の症状に悩まされる人も少なくありません。
近年、子どもの花粉症も増えており、幼児でも発症することは少なくありません。
子どもの花粉症が増えている要因としては、スギ花粉飛散量の増加に加え、屋外で遊ぶ機会が減ったことにより、花粉に対し体が過剰に反応しやすくなったことが考えられます。
鼻づまりや目のかゆみで寝不足になってしまったり、勉強に集中できなくなったりするなど、日常生活に支障をきたすこともありますので、マスクや眼鏡の着用や、症状の程度によっては花粉症のお薬で対処することが効果的です。
花粉の飛散量は天気や時間によって変動します。
花粉は早朝にスギなどの木から放出され、それが街なかへ飛んでくることで、午前中から昼頃までの時間帯で飛散量が多くなります。
その後、夕方になり気温が下がってくると、一度地面に落ちた花粉が再び舞い上がることなどで飛散量が多くなります。
また、雨の日は雨とともに花粉も地面に落ちるため飛散が少なくなりますが、その翌日、晴れると、地面に落ちて壊れた花粉が乾燥して舞い上がり、飛散量が多くなります。
花粉の飛散が多いタイミングを把握して、上手に対策を行いましょう。
かぜと花粉症は症状が似ているため、はじめて花粉症になったときは、かぜと間違ってしまう場合もあります。
これって花粉症?それともかぜ?と思った時には、以下の症状の違いを参考にして、それぞれに合った正しい対処をしましょう。
疾患名 | 花粉症 | かぜ |
---|---|---|
くしゃみや鼻水 が出る期間 |
2〜3ヶ月続く | 1週間からせいぜい10日間 |
鼻水の状態 | 水のような鼻水が ひっきりなしに出る |
最初は水っぽくてもやがて 黄色くネバネバした鼻汁に変化する |
熱の状態 | 微熱程度 | 37〜38度台の熱が出る |
目の症状の 有無 |
目のかゆみ、充血、涙目 | 無し |
その他の特徴 |
主に症状が首から上に出る 皮膚のかゆみ、腫れを伴うことがある |
下痢などを伴うことがある |
症状は鼻や目だけではなく、花粉がのどの粘膜に付着することによってのどのかゆみや咳が生じたり、鼻づまりによる頭痛・頭重(頭が重い・頭が締め付けられるような感覚)や、鼻やのどの炎症反応による倦怠感があらわれたりすることもあります。
花粉症へのなりやすさは年齢や体質、生活環境に影響を受けるといわれています。
ここまでの内容は、日本医科大学 名誉教授 大久保公裕先生に監修いただきました。
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