店頭に行くと、たくさんの種類の点鼻薬が市販されています。点鼻薬によって配合されている有効成分やそのはたらきは異なります。ここでは「自分はどの点鼻薬を使えばいいの?」という疑問にお答えします。
目次
使用目的に応じてさまざまな成分が配合される点鼻薬
ご自身に合ったOTC医薬品の点鼻薬を探す際に「どの製品を購入すればいいのだろう?」と考えてしまうことがあると思いますが、点鼻薬にはさまざまな有効成分が配合されています。有効成分が1種類の「単味剤」と、複数配合されている「配合剤」があり、代表的な成分として、「血管収縮成分」と「ステロイド成分」があります。
鼻粘膜の腫れを抑える血管収縮薬
血管収縮薬は、鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻づまりの原因である鼻粘膜の腫れを抑えて症状を改善する成分です。代表的な成分として、「ナファゾリン塩酸塩」「テトラヒドロゾリン塩酸塩」が挙げられます。これらは短時間のみ作用する成分で1日4〜5回(最大6回)使う必要があります。一方、長時間作用する血管収縮薬として、「オキシメタゾリン塩酸塩」もあり、1日1〜2回の使用で効果が得られます。
抗アレルギー作用と抗炎症作用のあるステロイド薬
ステロイド薬は抗アレルギー作用と抗炎症作用をあわせもちます。代表的な成分として、である、「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」「プレドニゾロン」「フルチカゾンプロピオン酸エステル」が挙げられます。これらは使用後約1〜2日で効果が実感でき、使い続けることでさらに効果が高まります。
OTC点鼻薬の有効成分と特徴
上記以外にもいくつかの有効成分が存在していますので、以下の表をご参考ください。
対象疾患で点鼻薬のタイプを使い分けよう
前述のようにOTC点鼻薬の成分には「血管収縮薬」「ステロイド薬」と大きく2つに分けられますが、成分と用途によって「血管収縮タイプ(単味剤・配合剤)」「ステロイドタイプ(単味剤)」と2つのタイプに分類されます。それぞれのタイプによって対象とする疾患と使用方法に違いがありますので、しっかりと把握しておきましょう。
「血管収縮タイプ」は、通年性・季節性どちらのアレルギーにも使用可能
「血管収縮タイプ(単味剤・配合剤)」は、血管収縮薬を主成分とし、花粉などの季節性アレルギーだけでなく、ハウスダストやペットの毛などによる通年性のアレルギー性鼻炎、かぜなどの急性鼻炎などにも使用することができます。特に鼻づまりに効果を発揮し、鼻水・くしゃみもカバーする配合剤も存在します。症状がつらいときに、その都度使用(頓用)することが基本です。
「ステロイドタイプ」は、季節性アレルギー性鼻炎のみに使用可能
OTC医薬品では、ステロイドタイプは単味剤のみ販売されています。「ステロイドタイプ(単味剤)」は、ステロイド薬を主成分とし、花粉などの季節性のアレルギー性鼻炎のみを対象疾患としています。鼻づまり・鼻水・くしゃみに効果的で、眠気の副作用がないという特徴を持っています。続けて使用すること(連用)が基本、症状の改善状態によって使用回数を適宜増減します。
※本文中の点鼻薬の効能効果や用法等については、一般的なOTC医薬品に多い情報を記載しております。ご使用になる際は、製品の添付文書の情報をよく読んで正しくご使用ください。
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