点鼻薬を使用していると、「どのくらい続けて使用していいの?」や「いつ使用をやめなくてはならないの?」などの疑問が浮かぶこともあるでしょう。 ここでは、過度の使用によって副作用を起こさないためにも、基本ルールをご説明します。
目次
連用と休薬を守ることで副作用リスクをより低減
点鼻薬の副作用リスク
市販されている薬にはさまざまな剤形の薬がありますが、その中でも点鼻薬は、局所でのみ作用し全身には作用しないため、「副作用リスクが少ない薬」ということで知られています。そんな点鼻薬ですが、より副作用のリスクを低減するために「連用期間」と「休薬期間」というルールを決められています。
連用期間と休薬期間とは?
「連用期間」とは、続けて使用する期間、「休薬期間」とは、薬を使用しない期間のこと。過度の使用によって副作用を起こさないためにも、決められた用法をしっかり守ることが大切です。
「血管収縮タイプ」と「ステロイドタイプ」によって、期間が異なりますので、タイプごとにルールを見ていきましょう。
血管収縮タイプの点鼻薬のポイント
血管収縮タイプは今つらい症状に効果的
「血管収縮タイプ」は、鼻づまりの原因である、鼻粘膜の毛細血管の拡張を抑えるはたらきがあります。今つらい症状に速効性をあらわし、その効果を体感しやすいという大きなメリットを持っていますが、効果が一時的であり数時間後には戻ってしまうというデメリットもあわせてもっています。
血管収縮タイプは長期連用しない
「つらいときにいつも使いたい」と考えてしまいがちですが、長い期間続けて使用(長期連用)してしまうと、かえって鼻づまりをおこしてしまう薬剤性鼻炎などの副作用リスクが高まってしまいます。連用は1〜2週間にとどめ、もし症状の改善によって1週間以内に使用を止めた場合でも、2週間程度、薬の使用をしない(休薬)ことがルールになっています。
「血管収縮タイプ」は、特に我慢ができないつらい時期に症状を緩和することを得意とする点鼻薬です。自分自身の「この時期が最もつらくなる」というパターンを理解し、計画的に使用することが大切です。
ステロイドタイプの点鼻薬のポイント
ステロイドタイプは連用が基本的
「ステロイドタイプ」は、花粉のアレルギー作用を原因から抑える薬です。使い始めてから1〜2日ほどで徐々に効果を表し、使い続けることで効果が高まり、症状が徐々に軽くなる特性を持っています。連用を基本として一定の期間、症状を抑えるために使います。
ステロイドタイプはつらい花粉シーズンに連用
季節性アレルギー性鼻炎は、スギやヒノキの花粉飛散期である2〜4月、ブタクサやカナムグラ、ヨモギの花粉飛散期である9〜10月につらくなる傾向にあります。ステロイド点鼻薬の連用は1年間のうち合計最大3ヶ月で、残りの9ヶ月は休薬することがルールになっています。
連用できる3ヶ月を、2〜3月、9月などと割り振って使用することができますので、ご自身がどの植物の花粉に弱いか、お住まいの地域の花粉情報を得て、「ステロイドタイプ」の点鼻薬を使用するようにしましょう。
※記載されている点鼻薬の使用期間の情報については、一般的なOTC医薬品に多い使用方法ではありますが、ご使用になる際は、製品の添付文書の情報をよく読んで正しくご使用ください。
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